キンダーブック 林林

つい応援したくなる、なぜか憎めない。

のは、フラッシュが少しばかり　なまけものだから。

短い足で走り回って、

知らず知らずに人々の心を和ませて、

電報という名の幸せを届けていたのかもしれません。

だからいつか　フラッシュにも幸せが訪れるはず。

はしれ、フラッシュ！

ねこでいっぱいの丘がありました。

一おく、一ちょうひきの　ねこ、ねこ、ねこ

ねこ好きには夢のような生活！　なんてとんでもない。

ほんとのところ、世界中で一匹だけ、

ふわふわのねこがいれば　それでしあわせ。

かわいい！だけではない　ワンダ・ガアグの名作絵本です。

”いやはや、こんなことがあるなんて！”

お医者さまの口から思わず出たことば。

すべてはこの一語に尽きます。

次は？　この次は？　とページごとに期待と驚きが膨らんで

おかげで男の子のおなかはしぼんでゆく。

いやはや、こんな絵本があったなんて！

福音館の限定復刻本です。

けんかをした。悔しくて泣いた。

目をあけると、まつげには虹色の海。

誰でも一度は経験するけんかの後味。

泣いて、意固地になって、何もかも涙で滲んで、

ああそうか、あの頃の自分はずっとそのまま

あの場所に居たんだと、

さわやかな余韻がいつまでも続きます。

星はネコのなき声

バラの香りはフルートの音色

これは、視力を失った子どもたちが感じる世界です。

”ただ見る”だけの感受性の怠慢を気づかされました。

音や形や匂いや、

あらゆる境界線を溶かしてゆきます。