キンダーブック 林林

汚れ木綿のサーカス小屋で

空中ブランコが揺れています。

中原中也の

夢のようなサーカスがはじまりました。

ブランコの揺れる音はまるで催眠術

心地よく耳に口に残ります。

情緒豊かでノスタルジックなサーカスです。

ポケットも頭の中も石ころでいっぱい。

淡々と消えることのない情熱の灯を、

生涯持ち続けた人がいました。

これは、作者の父をモデルにした

ほんとうのおはなしです。

ポケットに情熱を詰め込んだ　すべての人たちへ。

ぼくの友だちは９１才のおばあさん

怪力で地獄耳のおばあさんは　

なんでもお見通し。

好奇心旺盛で、空だって飛べる　

スーパーばあちゃん。

でも、おばあさんには秘密があります。

それは・・・・・・・・

愛情いっぱいの秘密です。

ある日突然、大切な人がいなくなったら・・・

おばけでも会いたいと思うかもしれません。

それでも、逝ったものと　残されたものたち、

それぞれがそれぞれの死を受け止めて

前に進んでゆきます。

人生に何度か経験する家族との別れ

心にしみる絵本です。

生身の人間は、不可思議心霊現象に

心奪われ魂奪われ

見えないあちら側の世界を引き寄せる。

異世界に対する欲求は

最も原始的な欲望ではないでしょうか。

児童文学作家の、隠れた怪奇小説集です。

北国特有の閉塞感が不気味の色を濃くします。