夜。月がどこかの街かどを歩いている。

夜。星はどこかのバーに紛れ込む。

夜は月と星のものだから 手を出してはいけません。

ただし、夢を見るのは自由です。

夜はずんずん大きくなって誰かの夢になる。

ときどきは、足穂の夢になったかもしれません。

 

 

稲垣足穂短編集 「一千一秒物語」