ふかいふかい森の奥で

一本の小さな木が揺れています。

木は歩けない。なんて、ほんとうに?

それは、歩こうとした木がいなかっただけかもしれません。

ちびっこの木は、毎日からだをゆすってゆすって

とうとう地面からぬけだしました。

そして広い世界に向かって歩きはじめました。

 

 

テルマ・ボルクマン  「あるきだした小さな木」

 

 

テルマ・ボルクマン  「あるきだした小さな木」